新旧それぞれのお墓とのやり取りが必要
増える墓じまい
お墓のあとを継ぐ人がいない、子や孫に余計な手間をかけさせたくないなどの理由から「墓じまい」を検討する人が増えています。
先祖代々使ってきたお墓を処分し、永代供養などの方法に変える墓じまいは、どのような手順で行うのが良いのでしょうか。
墓じまいをする際に、まずはじめに行うのはそのお墓に関わる人たちから賛同を得ることです。お墓の中には先祖代々の遺骨が納められているため、お墓の継承者一人の考えで墓じまいをしてしまうと、のちのち親族間でトラブルが発生する可能性が避けられません。親族一同に墓じまいをしたい理由をしっかりと説明して、墓じまいすることの了承を得てから具体的な手続きを進めていきましょう。
親族間で墓じまいへの合意が得られたら、次は寺院に相談をします。寺院というのは、現在お墓を管理してくれているお寺、もしくは霊園です。墓じまいをする際には遺骨を取り出したり、墓石を撤去したりといった作業が必要になります。そのため、勝手に作業を進めることはできませんし、埋葬証明書という書類をもらうためにも寺院への相談は必須といえます。
墓じまいの完了まで
改葬する寺院からも墓じまいの了承が得られたら、次は新しい埋葬先を決めます。
お墓の管理が難しくなってきて墓じまいを考えるのであれば、永代供養ができる寺院や霊園を選ぶ人が多いです。また、散骨などを希望する人もいます。新しい寺院や霊園、散骨をしている業者などに問い合わせて、墓じまいをして改葬したい旨を伝えましょう。
希望する新しい寺院や霊園が決定したら、新しい埋葬先寺院や霊園から「受入証明書」をもらいます。加えて、古い方の埋葬先からは「埋葬証明書」をもらいましょう。そしてこれらの書類を古い方の埋葬先がある市区町村に提出し「改葬許可証」を発行してもらわねばなりません。そして発行してもらった「改葬許可証」は新しい埋葬先の市区町村に提出します。こうしてようやく墓じまいのための手続きがほぼ終了となります。
あとは石材店に相談してお墓を撤去する日程を調整し、遺骨を取り出します。遺骨を取り出す際にはお寺で閉眼供養と呼ばれる儀式を行う場合が多いです。
遺骨を取り出したらお墓を取り壊すことができます。そして取り出した遺骨を新しい埋葬先に埋葬すればようやく墓じまいの完了です。